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怖がる娘 ~スティーヴン・スピルバーグ「宇宙戦争」(2005年

2006-12-11 17:00:00 Category : ややコワ!ご用心

古今東西、怖いものは数々あれど。共通する点はなんだろうか。と、考えてみます。仮定としてひとつ。「話の通じないヤツはこわい」というのはどうでしょうか。「ジョーズ」のサメであるとか、「ディープ・インパクト」の隕石であるとかが、この系統。話が通じない相手です。力づくでやっつけるか、いなくなるまで身をひそめているか、どちらかしかない。
 
今回紹介する映画も、その流れです。なにしろ、相手は宇宙人。トム・クルーズ主演、スティーヴン・スピルバーグ監督の、「宇宙戦争」です。ご覧になった方も多いと思いますが、お話はざっとこんな感じ。トム・クルーズはアメリカの下町の港湾労働者。ある日、地球上の各地にエイリアンが出現します。うまいこと息子と娘を連れて街を抜け出したトムさん、別れた奥さんの実家に向かいます。が、めちゃくちゃ強い宇宙人がそこらにうようよしているし、息子はトチ狂って、州軍に入って戦うぜ!とか言い出すし、娘はパニック状態になるし、さあー、父ちゃんどうする!
 
巨大・高速・凶暴と3拍子揃った宇宙人の乗り物「トライポッド」が注目を集めがちな本作。実は、それを怖がる人間が、きちんと人間として、ていねいに描かれているところが見ごたえありなのです。が、そのへんを紹介していると長くなりますので、ずばりここでは、娘役のダコタ・ファニングのことだけ。怖がるこの子を見ているだけでも、ほとんど元がとれてしまいます。
 
最初、何が起こったのかわからず、恐怖で半狂乱になるダコタん。かと思えば、次々に降りかかるショックを処理しきれずに、目を半開きにして、外界からの刺激に無反応状態になるダコタん。キィキィと金切り声を上げて、お兄ちゃんとお父さんをキレさせてしまうダコタん。大量の死体をうっかり見てしまい、気絶しそうになるダコタん。呼吸困難になるダコタん。これだけ多種多様な「怖がり」を演じ分けた子役も珍しいはず。いや、もう彼女の場合、子役呼ばわりは失礼。大女優、ですよね。
 
本作品、ジャンル分けすればSFになるのでしょうが、21世紀ならではの戦争映画でもあります。また、大災害のとき、パニくらずに冷静沈着な行動をとるためのマニュアルとしても鑑賞可能。さらに、子供を持つ親御さんや、児童心理学を勉強する学生さんにも、参考になるところ大でしょう。ダコタんの気を静めるため、お兄ちゃんが伝授するおまじないは必見!わたしですか?わたしは、なにか予期せぬ出来事に遭遇したとき、甲高い声で泣きわめいて周りをイライラさせるのはやめるが吉、ということをダコタんから学びました。

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